モザイク素子

光を伝搬する薄膜の上に、モザイクパターンを形成することにより、光を自在に操る素子のことです。多くの場合、シリコンの薄膜上に形成するため、シリコンフォトニクスの範疇に入る技術でもあります。下図のように複雑なモザイクパターンを形成することにより、驚くほど多様に光を操ることができ、また、同じ機能をもった通常素子に比べ、その大きさを100分の1程度にすることも可能です。

 モザイクパターンを形成するシリコン薄膜は、100 nm程度のピクセルに区切られ、数百~数千のピクセル数をもち、それぞれにシリコンを残す(1)、シリコンを削る(0)を割り当てます。そのため、全パターン数は2Nとなり、膨大な数となります。そのような膨大なパターンの中から目的の性能をもつパターンをマニュアル設計で探し当てることはほぼ不可能であり、モザイク素子の設計にあたっては、何らかの自動設計技術が必要になります。

 当研究室では、モザイク素子を用いて、シリコンフォトニクスプラットフォームでの物理限界となるような、超小型の光デバイスの研究を行っています。その際、2Nという膨大な数のパターンから目的のものをみつけだすための、機械学習による独自設計技術を同時に開発しています。